叱らずに部下に結果を出させる10の施策
「叱る技術」「叱り方」とよく言いますが、私は上司がはき違えているのではないでしょうか。
会社の状況や社員の質によって状況が変わる点もありますので、中小・中堅・大企業、ベンチャー企業など、一般企業のホワイトカラーに限定してお話しします。
一言で言えば、叱る前に上司がすべきことが山のようにあり、それが先決で、どう叱るかはその後、というものです。そもそも叱るべきなのか、という点もあります。
「感情的に怒るのはだめだが、冷静に叱るのはいい」というのは、まやかしだと私は思います。
叱る前に上司がすべきこととは
- 上司の仕事は叱ることではなく、部下のやる気を引き出すことです。
- 部下の仕事のしかたに助言・サポートして、結果を出させることです。
- 部下のスキルが十分ではないときに、チームワークで結果を出させることです。
- 部下が不注意や怠慢を起こさないような業務プロセスを作ることです。
ただ叱ると何がまずいのか
- 意味なく叱られるので、部下は反発し、やる気を失います。
- 何をしたらいいかわからないので、部下は混乱します。
- 結果として、上司の意に反し、自部署の成績は落ちます。
叱らずに結果をださせる10の施策
- 上司は自部署が達成すべきビジョンを示す
- ビジョンの達成方針を示す
- 達成方針をメンバーそれぞれのタスクに落とす
- タスクそれぞれにKPI(必達目標)を決める
- 週次のKPI進捗確認会議をする
- 順調でない部分は、上司が助け船を出して解決する
- 業績・成長目標合意書を作成し、合意し、フォローする
- 部下に対してアクティブリスニングを徹底する
- 部下に対してポジティブフィードバックをきめ細かく行う
- ひどい不注意、怠慢に対しては、適切にフィードバックする
1.上司は自部署が達成すべきビジョンを示す
上司は自部署が達成すべきビジョンを示すことが出発点です。
「そんなことができたら素晴らしいな」とメンバーが思えるような内容です。
2.ビジョンの達成方針を示す
難易度の高いビジョンなので、その達成方針を示す必要があります。
「そうか、そういうやり方で達成しようとしているんだな」「大変だけど、頑張ればもしかしたらできるかもしれない」と思えれば、やる気が出ます。
3.達成方針をメンバーそれぞれのタスクに落とす
達成方針をメンバーそれぞれのタスクに落としこみます。
一人あたり2~3タスクとし、何をどうすべきか具体的に指示します。
4.タスクそれぞれにKPI(必達目標)を決める
タスクそれぞれにKPI(必達目標)をいくつか、月ごとに決めます。
KPIは定量目標、定性目標の両方です。白黒つく表現とします。
5.週次のKPI進捗確認会議をする
週次のKPI進捗確認会議をします。
最大1時間でメンバー全員の進捗確認をし、ボトルネックを洗い出します。
6.順調でない部分は、上司が助け船を出して解決する
順調でない部分は、上司が助け船を出して解決します。これが何より重要です。
部下を罵倒したり、プレッシャーをかけたりするのが上司の役割と考えている人がいますが、これは考え違いです。部下を萎縮させ、自信を失わせます。スキルも上がりません。
7.業績・成長目標合意書を作成し、合意し、フォローする
業績・成長目標合意書を上司が作成し、一人ずつ丁寧に説明して合意します。
隔週に一度、15分程度でいいので、成長状況の確認とフィードバックをします。3ヶ月ごとに、達成度を相互に評価し、さらなる成長を目指します。
8.部下に対してアクティブリスニングを徹底する
部下に対してアクティブリスニングを徹底します。部下の発言に被せたり、部下を萎縮させるような質問をしたりを避けます。
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9.部下に対してポジティブフィードバックをきめ細かく行う
部下に対してポジティブフィードバックをきめ細かく行います。
毎日15回は部下に、5回は家族に、を目安とします。
褒めるより、基本は感謝・激励がいいです。
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10.ひどい不注意、怠慢に対しては、適切にフィードバックする
ひどい不注意、怠慢に対しては、その場で適切にフィードバックします。
感情的に反応するのではなく、不注意、怠慢をなぜ起こしたか、それをまず理解することが大切です。そうすると、的外れの一方的なフィードバックをすることが避けられます。
まとめ
いかがでしょうか?
叱る前にすることが山のようにあります。