人生に負の連鎖を引き起こす愛着障害とは?
誰しも人間関係で悩んだことはあるかと思います。
人間関係に関して、問題の大半は愛着障害、発達障害、パーソナリティーなど障害に起因します。
その中でも、特に事例が多いのは『愛着障害』です。
今回は、愛着障害が生まれる原因と弊害、対策をご説明します。
なぜ愛着障害が生まれるのか?
生まれてからの24ヶ月の間に、母親からだっこされ、授乳され、泣いたらおしめを替えてもらうことで本来形成されるはずの愛着が、母親(=安全基地)の精神的不安定さ、離別、死別などで形成されない場合に生じます。
母親の精神的不安定さは、多くの場合、父親からのモラハラ、DV、不在などから引き起こされます。「女性が悪い」ということでは全くありません。
2歳以降、小学校卒業までの家庭環境も大きな影響を及ぼすと言われています。(詳しくは、『愛着障害』岡田尊司著をごらんください)
愛着障害の心の傷が癒やされないままだと、自分の子どもに対して、モラハラ、DV、育児放棄、過保護、過干渉など、毒親としての問題を起こします。
その結果、家庭内・世代間連鎖を起こし、被害者が加害者になっていきます。
愛着障害の弊害としてよくみられる特徴
- 自己肯定感が低い
- 自信がない
- 不安が強い
- 見捨てられ不安
- 無力感
- 人の顔色をいつもうかがう
- 人と深い関係を作れない
- 人間不信
- アダルトチルドレン
などです。
愛着障害から抜け出すための自己肯定感
愛着障害から抜け出すためには、自己肯定感が大切です。
自己肯定感とは、「自分には生きる価値があり、誰かに必要とされている」と、自らの価値や存在意義を肯定できる感情です。
これがなければ、自信を持つことも、人生を前向きに生きることも、人を信じたり、愛したりすることも満足にはできません。
自己肯定感は、母親の愛情が十分に注がれれば、生まれて数年で身につきますが、愛着障害の場合、うまく形成されていないことが多いです。
母親と離別、死別した場合も、祖父母、年の離れたきょうだいの愛情を十分に受けて育った場合は、愛着障害をまぬがれる場合もあるようです。
機能不全家庭
家庭内に対立や不法行為、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト等が恒常的に存在する家庭を機能不全家庭といいます。(Wikipedia参照)
機能不全家庭では、高い確率で愛着障害になります。
問題は、機能不全家庭とは呼ばれず、世間的には立派と言われる両親のもとでも、問題のある家庭が非常に多いことです。
具体的には、父親の育児不参加やモラハラ・DVの結果、母親が精神的に不安定だったり(常に顔色をうかがうようになる)、兄弟姉妹と差別したり(常に劣等感を強く持つ、競争意識が過度になる)するために起きます。
過保護、過干渉
過保護、過干渉も愛着障害を引き起こす大きな要因になります。
「あなたのためを思って」「 あなたがいないと生きていけないの」と愛情豊かに見せつつ、実際は子どもの自由を奪い、恩を着せ、人形にし続けるからです。
過保護、過干渉によって、自主性を持つことが許されない状況が大人になるまで続きます。多くの場合は、40-60代になっても親から束縛され続けます。
結果として、自己肯定感や自信を持てず、人生を前向きに生きづらくなります。
愛着障害から抜け出すには~自己肯定感を取り戻すために①
意識して小さな成功体験を積み重ねます。そうすると「自分は、頑張ればできるんだ」と自信が湧きます。
自分に対してポジティブに接してくれる人にできるだけ接します。
自分に対してネガティブに接する人、パワハラ、モラハラをする人からは全力で逃げます。罪悪感を持つ必要は全くありません。彼らは必ずとがめますが「知ったことか」です。
愛着障害から抜け出すには~自己肯定感を取り戻すために②
親が毒親だと思ったら、我慢する必要はありません。ひどい場合は、連絡を断ちます。そこまででないとしても、会う頻度を最小にし、距離をおきます。
それを非難してくる親戚、きょうだいなどがいますが、無視するしかないです。彼らは、世間体を気にして、あなたのことを考えているわけではないからです。
幼少期に得られなかった安全基地になってくれる人に出会うことができれば、心の傷が徐々に癒されます。
安全基地とは「今のままでいい」「そのままでいいんだよ」と言って全面的に受け入れてくれる相手です。
ただし、恋愛の相手は安全基地になりづらいです。不可能ではありませんが、最初の熱が冷めたとき、共依存や相手のモラハラを引き起こしがちだからです。
まとめ
とはいっても、愛着障害から抜け出すのは簡単ではありません
もし一人で解決できそうにないと悩んでおられたら、メールをお送りください。